ローカル線がどんどん廃線になり、
寝台列車もつぎつぎ廃止されていく。
理由はなんであれ、なくなるのは寂しい。
大阪から日本海沿いに北に向かう。
かつてそんな寝台列車が走っていた。
急行「きたぐに」(大阪―新潟)、
特急「日本海」(大阪―青森)、
そして、大阪―札幌を結んだ特急
「トワイライト・エクスプレス」。
今はいずれも廃止された。
2012年4月29日(日)
急行「きたぐに」に初めて乗った。
23:27 大阪駅の11番線を発車。
「きたぐに」はいわゆるブルートレインではなく、
寝台車を連結した夜行列車だ。
寝台車は、通路に向かいあって三段寝台が並ぶ不思議なつくりだった。
下段の寝台で、翌朝新潟に着くまでぐっすり寝た。
ただ、気になったのは、ゴールデン・ウィークなのにガラガラだったこと。
案の定、わずか9カ月後の2013年1月7日、運行を終了した。
「日本海」は青い車両が、ブルートレインそのもののイメージだ。
青函連絡船があった頃、何回か乗った。
「トワイライト・エクスプレス」は豪華な寝台特急で、
サロンカーや食堂車、シャワールームまであった。
2007年1月1日、
札幌駅から「トワイライト・エクスプレス」に乗った。
15年間暮らした北海道を離れ、
新しい生活を、北陸で始めるのだ。
飛行機ではなく、
列車で名残を惜しみたい。
そう思った。
外がトワイライトする(たそがれる)まで、ずっと車窓を眺めていた。
全てが変わる。
43歳の冬。
自分はまた、新しい夢を見ることができるのだろうか?
翌朝、富山駅で下車。
そのまま会社の独身寮へ入った。
ーーー月日は流れ、2015年3月14日。
金沢は、北陸新幹線開業に湧いていた。
同日。
「トワイライト・エクスプレス」(大阪―札幌)の最終列車が札幌駅に到着し、運行を終了した。
あれから一度も乗る機会はなかった。
もう二度と乗ることはできない。
思い出が、またひとつ増えた。