ひとりが好きだ。
でも若いころ、ひとりが好き、と言うと変わり者扱いされた。
友だちいないの?
彼女は?
ひとりだと淋しいでしょ?
やっぱり、みんなに好かれるようにならないとね。
最後はいつも説教だ。
言われるほど、ますます自分の殻に閉じこもり、
ひとりになっていく。
今でも「おひとりさま」や「ぼっち」という言葉には、
かわいそうに、という感じがつきまとう。
それが、最近「ソロ活」が流行しているらしい。
ひとりで充実した時間を過ごすのを楽しむ人が増えているのだそうだ。
ひとりめし、ひとりカラオケ、ひとり遊園地。
ひとりでいるイメージが良くなるのはありがたい。
しかし、わたしがひとりでいるのは、なにも楽しむためではない。
齋藤孝は『孤独のチカラ』の中で、みずから進んで孤独になるべきだと言う。
もっと自分自身に向き合うような時間、もしくは自分の技量を深めていく時間を持とう。
それこそ脳を真っ赤に燃え上がらせる知的活動のひとときは、誰もが持つべき孤独なのだ。
誰もが持つべき孤独。
それは人間不信になってひきこもることではない。
ボケーっとだらだら過ごすことでもない。
もっと自分を高めたい。
なりたい自分になりたい。
そのための「ひとり」だ。
50過ぎてなにもしなければただのジジイだ。
ただただ老化していくだけだ。
ただのジジイにはなりたくない。
だから、いま、ひとりになって、
人生の残り時間を完全燃焼したい。
いつまでも、上を向いて歩いていきたいのだ。