来月から10万円、給料下がるから
そう言いながら部長は一枚の紙を私に手渡した。
それは1年前、
2018年4月25日、朝のことだった。
役職定年。
55歳になると給料がガクンと下がるのだ。
渡された紙には、来月からの給与額の数字が並んでいた。
分かっていたつもりでも、
目の前に具体的な数字を示されると、
うろたえてしまった。
減るのはこれだけではない。
賞与や残業代単価も減る。
ぜんぶ合わせると、
年収ベースで月20万円強下がる計算だ。
![](https://i0.wp.com/uncle-kanazawa.com/wp-content/uploads/2019/01/necchusyou_face_boy3.png?w=1256)
これからどうしよう?
このまま泣き寝入りする?
それとも辞めて見返してやる?
残るか辞めるか。
メリット、デメリットをマトリクスにして考えた。
まず「残る」デメリットは、
一方的に年収3割カットされる経済的損失と、傷つけられたプライド。
「辞める」デメリットは、経済的安定性の喪失。
55歳という年齢で、
現状よりいい条件での再就職は難しい。
一方「残る」メリットは給与以外の勤務条件がいいこと。
今の職場は人間関係もいい。
仕事も自分の守備範囲なのでラクだ。
テレワーク導入で週一回は自宅勤務が可能だ。
さらに完全週休二日制で、
公私の区別もはっきりしている。
「辞める」メリットは、今のところ、
「給与下げられてのうのうと働いてられるかよ!」
と啖呵を切って溜飲を下げられることだけだ。
年齢を言いわけにしたくはないが、
自分のプライドを守るためだけに、
会社を辞められるだろうか?
答えは、NOだ。
辞めるメリットが、
会社を辞めてでもやりたいことが見つかり、
その夢の実現に向かってがんばれること
その夢の実現に向かってがんばれること
に変わるまでは。
その時初めて胸を張って言える。
会社に、
さようなら、と。