技術評論社から2021年7月に出版された
『はじめてのAIリテラシー』
を通読した。
本書は、文科省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」に準拠して書かれたテキストです。この制度は、大学、短大、高等専門学校に正規の課程として置かれます。
とあるように、
本書は学校の講義のように全14講で構成され、
AIというよりは、
ITやDX全般の基礎知識を解説していて興味深い。
手始めに、
第1講「AIリテラシーとは」では、
AIに接する心構えとして、
人間にはものに愛着を感じるELIZA効果(*)もあるので、
Alという言葉を大切に扱ってほしい、
と説いている。
心構えといえば、
以前、

「AIが進化すれば自分たちの仕事が奪われる!」
とちょっとした騒ぎが起こったが、
おなじことがイギリスの産業革命の時代に起こっていて、
失業の恐れを感じた労働者が、
各地で機械の打ち壊しを行った。
それを「ラッダイト運動」というが、
AIやDXは難しいもの、得体の知れないもの、自分や自分の仕事には縁遠いもの、
という先入観を持って、自ら学ぼうともせず、受け入れようともしない考えを、
それにちなんで、
「ネオラッダイト」と呼ぶ。
そういうAI(やDX)アレルギーを持つ人たちに「覚醒」してもらおうと、
いま、各企業が血眼になっているのだ。
具体策として、
国家試験の「ITパスポート」合格者目標○○人!
というのが主流だが、
その前に、
全社員に本書を配って勉強会をすればいいのでは、
と思う。
最初の一歩としておすすめしたい。