NHK Eテレ(教育テレビ)の「サイエンスZERO」で、
DCON2020本選(*1)の模様が、
2020年9月6日、13日の2週にわたって放映された。
優勝した東京工業高等専門学校の『:::doc(てんどっく)-自動点字相互翻訳システム-』をはじめ、すべてが、
すごい!
のひとことだった。
高専は、工業高専とも呼ばれるように、
中学卒業生が高校に進学せず、
5年間、ものづくりの技術を学ぶ高等教育機関(大学、短大と同じ)だ。
そこでロボティクスはじめハードウェアの技術について学んでいるので、
こうしたいという思いを実際に形にできるチカラをもっているのだ。
番組の中で、
高専生の強みは、
大学受験というイベントに貴重な時間を取られることなく、
社会の実装に不可欠な技術を身につけられることだ
という指摘があった。
なるほど、
第四次産業革命と呼ばれるいま、
義務教育修了後、みんながみんな、
高校から大学進学というコースを選ばずともいいのではないか。
さらに、
技術を社会のために役立てたいという強い思いが、
彼ら彼女らを動かしている
という話も出た。
たとえば、
長岡工業高等専門学校のチームリーダー・鈴木くんは、
自身が幼い頃交通事故に遭い、
そのつらい経験をバネに、
交通弱者の交通事故予防システム『カリスモ』を作った。
さらに、優勝チームの東京工業高等専門学校の点字システム、
沖縄工業高等専門学校の『ディープラーニングを用いた美ら海の環境保護プロジェクト』などは、
単にビジネスになる(お金が稼げる)という視点ではなく、
いまの時代に欠かせないSDGs(持続可能な開発目標)の目線で発想されている。
「AIのチャンスをつかめるのは若者だけ!」
と、本イベントの実行委員長・松尾豊氏がおっしゃったそうだが、
たしかにそうかも
と、シャッポを脱がざるをえない。(Ledge.ai 8/26記事より)
振り返って、
自分はなぜ高校、大学という道を選んだのだろう?
ただなんとなく?
番組で見た
強い思いを持って実社会に挑む高専生のきらめきに、
いまさらながら自省の念を新たにした。