「銀行員は、もっとマーケティングを勉強しなきゃ。」
数年前、
福井のある上場企業の経理部長から、
こう言われた。
そのときは、
(銀行員がマーケティング? モノを売るのはアンタらの仕事だろう。)
とピンと来なかった。
たしかに、わたしたち銀行員に、
「どうやったら売上が上がりますか?」
と聞く経営者はいない。
そんなことを口走ったら、
(この会社、経営難?)
と思われて、融資取引に悪影響になるからだ。
しかし、
そんなのんきな話も今は昔話。
銀行も昔ながらの
預金、融資、為替だけではやっていけず、
コンサルティング業務が主流となる時代。
先の経理部長のアドバイスが、
今更ながら身に染みる。
ということで、
遅まきながらマーケティングの勉強を始めよう。
まず手に取ったのが、
不朽の名著『影響力の武器』。
消費の意思決定に大きな影響を与える要素を「武器」ととらえ、
実験データに基づいてそれらを紹介している
「ビジネスパーソンの絶対的必読書」だ。
マーケティングとは、
かんたんに言えば、
「モノを売るためのテクニック」なのだが、
本書は売る側(企業)ではなく、
買うほう(消費者サイド)からの視点で描かれている。
経済を動かすのは人の気持ち
という。
ならば、
ひとはなぜ「この商品」を買おうと思うのか?
コトラー(*)や、
フレームワークなどのこざかしい理論の前に、
まずはそこから始めたい。
* 言わずと知れたマーケティングの神様(父とも)。『マーケティングマネジメント(第12版)』は2016年3月に買って大事に本棚に飾ってある(読んでないけど)。