テクノロジーの急激な進展で、
自分は文系なので数学は関係ない!
では済まなくなった。
数学が社会人の一般教養になる日もそう遠くないだろう。
AI(機械学習)にも、
線形代数(ベクトル、行列等)、微分積分、確率
などの数学が必要だ。
しかし、
文系頭にいきなり高度な数学はムリで、
勉強はなかなか先に進まない。
やる気が出ないのだ。
そこで、
数学の入門書に触れ、
数学に興味をもつことから始めることにした。
まずは基礎の基礎、
中学の数学のおさらいからだ。
『東大の先生!文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』
を手にとった。
二次方程式、二次関数、ピタゴラスの定理、相似、円周角。
数式は出てくるが、
中学の数学の重要項目を、
あっという間に復習できた。
しかし、読み終えて、
満足感より中途半端な思いが残った。
そもそも数字ってどういう学問なのか?
そういう納得感がほしい。
数学が数式と計算だけの実用的な技術なら、
別に勉強しなくても、
コンピュータに任せておけばよい。
そう思って、つぎに手を伸ばしたのは、
若き数学者・森田真生の
『数学する身体』というエッセイだ。
複雑な記号や数式でどんどん抽象化されていく数学、
しかし、それを行なっているのは具体性をもった生身の人間だ。
ならば、数学にとって身体とはなにか、
わたしたちにとって数学とはなにか。その謎に
アラン・チューリングと岡潔、
2人の数学者の分析を通して迫っていく。
そんな内容だった。
いっさい数式は出てこないが、
一読して完全に理解できるようなやわな本ではない。
ただ、
読後、わくわくした感じが残った。
「本書を手にとった読者が少しでも新しい心持ちで数学をすることになれば、著者の意図は達成されたということになろう。」(解説より)
数学のことをもっと知りたい!
そう思えた一冊だった。