1995年頃から10年ほど、
全国的に「ミニシアター」ブームが起こった。
ミニシアターで小難しい映画を観ることが、
「サブカルチャーが分かる=カッコいい!」
ことだった。
30代半ばの自分もその流れに乗っかった。
札幌の「シアターキノ」や渋谷、銀座のミニシアターにちょくちょく出かけ、
分かったような映画評を日記に書きとめたものだった。
「ヌーヴェルヴァーグ」と呼ばれる1950年代後半から60年代後半頃の、
古いフランス映画のリバイバル上映もよく観た。
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ジャン・リュック・ゴダール「女は女である」
わけのわからない映画が多かったが、
観たことがあるという経験が、自分の価値を高めてくれると信じていた。
もちろん楽しい映画もあった。
『weird movies a go!go!』というムックも出た頃で、
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読めるもんなら読んでみろという小さな活字がよかった
おしゃれでちょっとエッチな映画に胸をときめかした(30代だから)。
例えば『バッファロー’66』。
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大好きな映画
ヴィンセント・ギャロのナルシズム丸出しの演技に笑い、
キング・クリムゾンやイエスのサウンドトラックにしびれ、
ぽっちゃりしたクリスティーナ・リッチの肢体にメロメロになった。
札幌、旭川、渋谷で観て、DVDとサントラCDまで買った(今でもある)。
しかし、あれから十数年。
ミニシアターどころか映画館にも行かなくなっていた。
それが、2018年3月4日、
金沢のミニシアター「シネモンド」で映画を観たのだ。
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香林坊の旧109にある
作品は、大林宣彦監督の『花筐』。
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カルト的な映画!
永遠の憧れ、常盤貴子が出演していたのだ。
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NHK語学番組にも出演! 美しい!
2時間49分という長さに加え、
セリフやしぐさが時代がかっている、
唐突に場面が転換する、
などなどカルト色いっぱいで、
好き嫌いのはっきりわかれそうな映画だった。
しかし、常盤貴子の美しさにかげりはなく、
初めて見たヒロインの矢作穂香も美しかった。
東京じゃない。
地方都市、金沢でだ。
って、ちょっと素敵な感じ。