2021年1月24日。
父が、87年の生涯を閉じた。
いままで、
どこまでも他人事のように感じていた「死」に触れて、
あれから、
気持ちがふわふわして落ち着かない。
老いていくこと、病に臥せること、そして死にゆくこと。
決して、他人事ではないのだ。
臨床医の著者・稲葉氏は、
私たちのいのちは、生と死のエネルギー、二つの力が互いに引き合いながら、日々更新されています。
と、
私たちのいのちに含有されている「死」を意識して、
毎日を生きていくべきだと説く。
本書は、
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(世界保健機関〔WHO〕憲章前文〔日本WHO協会訳〕)
という考えをベースに、
病気を治す「西洋医学」だけではなく、
坐禅や滝行、瞑想などの「東洋医学」の考え方も取り入れ、
「健康」に「生」を享受しようという、
目からウロコの一冊だ。
巻末には、からだやこころのしくみに加え、
仏教や禅、能楽など、
「健康学」を深めるための豊富なブックガイドもある。
これらを参考に、
これからゆっくり、
心の落ち着き場所を探していきたい。