いつも、

なにか足りない。
そんな思いに駆り立てられる。
その「なにか」を埋めようとして、
ずっとスマホをいじって、
新奇でワクワクするようなモノを探し続けている。
でも、
そんな都合いいものは見つからなくて、
けっきょく、つまらない気晴らしにふけって、
その「なにか」を忘れようとするのがオチ。
藤田一照の『現代坐禅講義』では、
物足りなさは永遠になくならないから、物足りないところにそのまま落ち着こう。
と、ただひたすら坐る坐禅「只管打坐」を勧めているが、
とてもできそうにない。

気づきの多いいい本です。
だから、いまは、坐禅よりも数学をしよう(ちょっと強引)。
『ITと数学』は、
雑誌「Software Design」の数学特集を一冊にまとめた読み物。

2021年5月11日刊。158頁と手頃な厚さ。
数式を使わずにAI(機械学習)のしくみを解説します、
という本は腐るほどあるが、
真っ向から数学的にアプローチします、
という本は一般書としては珍しい。
AIの人気書は、
読んでなんとなく分かった気にさせ、けっきょくなにも残らない。
それに気づいた人たちは、いま、
数学から逃げずに王道を歩もうとしている、という。

物足りない気持ちを埋めてくれるものはこれか!?
薄いけれど(雑誌だから)、
数式だらけのこの本(『ITと数学』)が、
足りない「なにか」を埋めてくれるかもしれない。