北陸新幹線、金沢市民が歓喜した「ホント」の理由とは?

おじさんの金澤
金沢駅:かがやき号

金沢といえば、北陸新幹線。
2015(平成27)年3月14日(土)、
金沢に新幹線が来た。
地元の人たちは大喜びした。

それは単に東京が近くなったからではない。
越後湯沢での乗り換えがなくなったからだ。
これまで乗り換えのせいでどれだけ悲しい思いをしたことか。
金沢人はそれを「越後湯沢の悲劇」と呼ぶ。

北陸新幹線開通以前、金沢から東京に行くには、
いったん、越後湯沢で上越新幹線に乗り換えなければいけなかった。

かつての特急はくたか号

越後湯沢はノーベル賞作家・川端康成「雪国」の世界。
真冬は、雪山状態だ。
東京から帰るとき、乗り換え時にうっかり薄着のまま車外に出たら凍え死にそうになる。
いや、そのくらいならまだいい。
風邪をひくだけだ。

もし、東京でホロ酔いになり、寝たまま乗り過ごして越後湯沢で降りなかったらどうなるか?
もし、その新幹線が、金沢行き特急に乗り継げる最終列車だったとしたら・・・。

日本が世界に誇る新幹線は、そのまま容赦なく新潟に向かうだろう。
時速240kmでどんどん金沢が遠ざかっていく。
どんどん、どんどん・・・。

ようやく新幹線が長岡駅に止まる。
でも、もう金沢行きの列車はない。

上司にどうやって言い訳しよう・・・

あなたは、
見知らぬ駅のホームでひとり取り残され、
天を仰いで立ち尽くしたことがありますか?

ーーーでも、それも新幹線のおかげで、
今では懐かしい思い出だ。

と言って、喜んでばかりもいられない。
北陸新幹線は、2023年に敦賀まで延伸するのだ。

そのときまた、新たな悲劇が生まれるに違いない。
敦賀駅で真夜中、行き場を失い天を仰ぐ金沢人たち。
今度はそれを「敦賀の大惨事」と名付けよう。

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