前回、
ML(機械学習)が2010年頃第3次ブームの口火を切り、
DL(ディープラーニング)が2012年デビュー!
というお話をしました(前回のブログは、こちら)。
これで、オールスターが勢ぞろいです。
この3つの関係を整理しておきましょう。
大切なのは、
の2点です。
ただ、
「1.ディープラーニングは機械学習のひとつの手法である」
のですが、両者には大きな違いがあります。
この違いが、
ディープラーニングを「AI50年来のブレイクスルー」たらしめる大切なポイントです。
かんたんにまとめてみます。
1.まずは機械学習のイメージ
機械学習(*1)とは、
ヒトが明示的な指示を与えることなく、
データを用いて、正しい答(パターン)を導き出すしくみです。
つまり、
機械(コンピュータ)が自分で勝手に学習するということです。
具体例でいうと、
たくさんの犬や猫が写っている画像を入力し(図のX)、
正しい答え(写っているのが犬か猫か)が出力(図のY)されるように、
コンピュータに学習させるのです。
ただ、
機械(コンピュータ)が勝手に学習すると言いましたが、
ひとつだけヒトが手助けしています。
それは、
機械(コンピュータ)が答を出す決め手になりそうなもの(特徴量)を、
ヒトが決めて与えていることです。
人間でも同じですよね。
親が子に、
「写真のここを見ればわかるでしょ」
みたいなヒントを与えて、
子どもは学習し、
賢くなっていく、ということです。
2.それではディープラーニングはどこが違う?
ディープラーニングのしくみをご覧ください。
同じような構造ですが、
先ほどの機械学習と違うのは、
function(関数)の部分が、
ディープニューラルネットワークに置き換わっている点です。
ニューラルネットワークとは、
人間の脳みその基本構造をモデル化したもので、
それを、人間の脳のように深くした(いっぱいくっつけた)ものが、
ディープニューラルネットワークです(*2)。
それで、なにが変わったかというと、
ヒトが与えていた答を出すためのヒント(特徴量)までも、
機械(コンピュータ)が自分で学習できるようになったのです。
ヒントはいりません!
自分でやるからほっといてください!
という感じです。
そしてこのしくみ(ディープラーニング)が、
インターネットの普及による「ビッグデータ」時代の到来、
さらに、
膨大な計算処理可能な装置「GPU」の発展進化
と相まって、
さまざまなことができるようになったのです。
ただ、
その便利なしくみ(ディープラーニング)も、
中小企業にまではなかなか及んでいないのが現状です。
そこで思い出してほしいのが、
ということです。
ディープラーニング以外の機械学習もAIです。
実際に、
古くからある機械学習の手法も、
よく使われているのです。
中小企業へのAI導入は、
ディープラーニングにこだわることなく、幅広に考えて対応することが大切なのです。