なんと、これ、
ある年の東大入試問題なのだ(『夢中になる! 江戸の数学』より)。

和算の世界は奥深い!
先日、
2019年3月14日(円周率の日)に、
Googleは、
日本出身の岩尾エマはるか氏が、
円周率を小数点以下31兆4000億桁まで計算することに成功したと発表した(*2)。
というニュースを見つけ、

なんのために?
と思ったのだが、
こうして東大やGoogleがからんでいるのをみると、
どうも、円には不思議な魅力があるらしい。
そもそも円周率(π)とは、
円の直径に対する円周の長さの比のことで、
直径を何倍したら円周になるかを表す数字である。
実際には、
3.14159265359・・・と
無限に続く小数(無理数)で、
「超越数」と呼ばれる。
無限に続くのに数字の出方に規則性がなく、

果たしてどこまでもランダム(乱数)に続いていくのか?
ということが数学者の興味の対象となり、
それを証明するために、
延々と小数点以下の桁数まで計算しているのだ。
人はランダムを作りだすことができない。
だから、
円周率がランダムということを証明できれば、
それはすごいことなのだ。
このように、
数学はもともと美しく、神秘なものだという。
映画『博士の愛した数式』は、
そんな数学の奥深さを描いた名作だ。

2006年1月公開。原作は、第1回本屋大賞受賞作!
交通事故により、80分で記憶がなくなる数学博士(寺尾聡)が、
家政婦(深津絵里)と10歳の息子(博士が√(ルート)と呼ぶ)との
心の交流を描いた作品で、
その過程で、
素数や完全数、友愛数などの数字の美しさや神秘をたたえ、
繊細に紡ぎ出している。
AI・機械学習の勉強のため、
いやいや数学をやるのはつらいが、
こういう話を聞くと、

数学ってロマンティック!
と、少しは興味がわいてくる、
というものだ。
岩尾氏は12歳のときから円周率の計算に興味を持ち、かつて円周率計算の世界記録保持者でもあった筑波大の高橋大介教授のもとで計算科学を学んだ。