『コンピュータ、どうやってつくったんですか? はじめて学ぶ コンピュータの歴史としくみ』は、
「コンピュータのことをほとんど知らない人、またあまり興味がない人に、どうすれば(コンピュータのしくみを)わかりやすく伝えられるだろうか」
という著者の願いどおり、
短時間でざっくり、コンピュータのしくみがわかる一冊だ。
近頃はネットサーフィンで情報をあさるクセがつき、
専門書を読む気力が衰えているので、
この手の本はありがたい。
「最近、人工知能(AI)について話をさせていただく機会が増え、『コンピュータのしくみを知っていること』の重要性を感じるようになりました」
という著者の言葉どおり、
というから、AI学習者必読の一冊と言えよう。
本書は、
もともと大学の授業資料ということで、
わかりやすい3部構成となっている。
「第1部 数字で情報を表す」では、
なぜコンピュータで2進法を使うのかを説明したあと、
文字、色、音までも数字で表せることを教えてくれる。
これによって、コンピュータは単なる電卓ではなくなった。
「第2部 電気で計算を表す」では、
「真と偽も、スイッチのオンとオフも、2進法の数字も、全部1と0になる」
ということから「電気を使った計算」というアイデアが生まれ、
電磁石を使った「リレー」が
「真空管」そして「半導体」にとって変わられていく歴史までを解説している。
真とか偽とかの論理演算では、
半加算器や全加算器など少し難しい部分も出てくるが、
完全に理解できなくても先に進める。
最後の「第3部 プログラミングとは?」では、
第1部、第2部を踏まえ、
コンピュータに命令する「プログラミング」を、
CPU(中央処理装置 : Central Processing Unit)の構造から、
平易に解説している(それでもちょっと文系には難しいが)。
ここは、
「基本情報技術者試験」午後(応用・記述問題)の頻出部門でもある。
さて、ここまでをまとめると、
コンピュータとは、
数字で表された情報を扱い(=デジタル機器である!)、
電気の操作によって計算を行い(=電子機器である)、
プログラムによってさまざまなことができる機械である、
という非常にシンプルな説明になる。
しかし、
これだけではものたりない。
もっと詳しく知りたい!
という人には、
『CODE: コードから見たコンピュータのからくり』
がおすすめだという(本書「コンピュータのことを、もっと深く知りたい方へ」から)。
これは、前回(ブログは、こちら)作った
「After キカガク with コロナ」の読書リスト、1冊目だ。
なのでさっそく、kindle版を購入。
腰をすえて読んでみたい。