ホテルに缶詰めになって本を読もうと思う。
読むスピードが買うスピードに全然追いつかず、
未読の本が積みあがっているのだ。
ホテルは「東横インあべの天王寺」。
休みを取り土日をくっつけ、3泊4日の予定を組んだ。
チェックインしてさっそく読書。
まずは再評価の声が高い『インターネット的』。
インターネット登場後の世の中の変化を、
著者自らが立ち上げたウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の運営を通し、
的確に予言している。
インターネット的の特徴は「リンク、フラット、シェア」である。
なかでも、リンクは、
情報がリンクの先のリンクにまで延々と深くつながってゆく。
これこそがインターネット的の一番のカギになるわけです。
さらに、シェアについては、
分けあうということは、なぜかは知らねど、楽しい。
その「シェア」というよろこびの感覚が、インターネット的なのです。
そしてコピーライターとしての文系的視点から、
情報はたくさん出した人のところにドッと集まってくる法則がある。
と、インターネット黎明期にすでに見抜いている。
いつでも新しい機械や道具が登場したばかりのときには、
オペレーターが重用されるのですが、
いずれ機械の性能が上がっていくと、
「使えるだけ」という人の働き場がなくなっていきます。
という指摘は、まさしくいまのAIに当てはまる。
約20年前に書かれた本とは思えないほど鋭い指摘が続く。
『<インターネット>の次に来るもの』は2016年に出版された一冊。
これから30年の間に起こる不可避なできごとを、12の動詞で読み解いている。
人工知能(AI)、仮想現実(VR)やブロックチェーンなど、
さまざまなテクノロジーが私たちの生活に破壊的な影響を与えるのだが、
そもそも、
現在われわれがどっぷりと浸かっているネット社会の本質を見極めている人はどのくらいいるだろうか。
と、著者は私たちに問いかける。
この問いに糸井重里は『インターネット的』で20年ほど前に答えを出しているのだ。
「まるで、予言の書!」とよばれるゆえんだ。
ネット社会の本質とは何か、
AIやVRなど、インターネットの次に来るものの影響とは何か。
本を読むだけで満足するのではなく、
自ら答えを考えたいと思う。