2018年2月12日、振替休日。
今日も雪。
金沢の町はずれにあるcowry coffee。
今日は、このいちばんのお気に入り珈琲屋で、
大好きな音楽を聴くのだ。
市内からバスで35分。
バスを降り、雪の中を歩いて30分。
cowry coffeeも雪の中。
中に入ると暖かさに包まれホッとする。
ご主人が声をかけてくれる。
奥さまがリュックの雪を払ってくれる。
そのあったかさで身体も心もホコッとする。
ここではたまに音楽イベントがある。
前回は2017年11月4日。
「ハーディー・ガーディー」という珍しい民族楽器とギターのライブだった。
そして今回は、朗読そしてチェロとピアノの演奏会。
題して「夢十夜 in cowry」。
毎回趣向を凝らしたイベントだ。
だからこんな大雪の日にも人が集まる。
まずは、コーヒーをいただく。
チラシには、
珈琲・門脇悠。
すでにイベントは始まっている。
それから。
15:30、チェロとピアノの演奏が始まった。
演奏・富田祥チェロ/浅井隆宏ピアノ
それから。
夏目漱石の『夢十夜』の第1夜が朗読された。
朗読・青木栄美子(BBT 富山テレビ放送)
朗読が終わると、チェロとピアノの演奏が始まる。
「こんな夢を見た」で始まる『夢十夜』。
第3夜まで繰り返された。
プロアナウンサー・青木さんの声が描く漱石の幻想の風景、
チェロの哀愁を帯びた音色、
ピアノの深く短い響き。
目をつぶれば、
そのすべての音が、はっきりとした映像を結ぶ。
漱石が見た甘い夢、そして悪夢。
その世界に引きずりこまれ、
どこまでもどこまでも、
深く深く落ちていく。
窓の外は雪。
まだやみそうもない。