ベストセラーを読む!『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆著)

必読書!

本が読めなかったから、会社をやめました。
会社で働きながら充分に本を読むことは、あまりに難しいからです。

本を読むために会社を辞める❗️

この話で思い出すのは、知の巨人・立花隆。
「本をもっと読みたい」という理由で文芸春秋を退社している。
その『退社の弁』が
『ぼくはこんな本を読んできた』にある。

さて、
なぜ働いていると本が読めなくなるのだろう?

本書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の著者・三宅香帆氏は言う。

それは、仕事に全身全霊コミットして疲れているからだ。
だから、今すぐほしい情報だけがあるSNS、YouTube などを見る時間はあっても、自分に必要のない文脈が含まれた読書に割く時間などないのだ、と。

しかも問題は、

長時間労働で疲れるのは、会社から押しつけられるのではなく、あくまで「自分から」戦いに参加しようとしているからだ

という。

では、
なぜ自分から長時間労働に飛び込むのか?

それは、

「自己実現」を仕事で果たそうとする社会では、私たちはどうしても「自己実現」の奴隷に自らなってしまい、頑張り過ぎてしまうからだ。

そうならないために、

全身全霊ではなく半身(※)の働き方をしよう

と著者は提案する。※ 「半身」とは、さまざまな文脈に身をゆだねることである。

ここでふと考える。
起業を目指す理由の大半は、この「自己実現」だ。
起業を成功させるには、頑張りすぎるくらいにならないと。

しかし、

疲れすぎると、鬱病や、燃え尽き症候群といった、精神疾患に至ることもある。

起業家もメンタルをやられることが多い。
だから、ノイズ(自分に関係のない文脈)に触れる心と身体の余裕も必要なのだ。

最後に著者は言う。

働きながら本を読める社会。
その実現のために「半身で」働くことのできる社会をつくろう。

これからは、
頑張り過ぎないのがちょうどいいのかもしれない。

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