起業希望者・中小企業者必読の1冊!〜『お金は使うほど、会社は強うなりますねん』

必読書!

日本政策金融公庫研究所によると、

起業する人の80%以上が借り入れをせずに起業する

という。(日本政策金融公庫総合研究所「2023年度新規開業実態調査」(2023年11月30日))

確かに

返せなくなったらどうしよう?

という不安は大きい。

お金のストレスは強烈だ

「お金、どうしよう……」という不安を抱えたままでは、実行に移すエネルギーも奪われていく。人生でまっさきに手放すべきはお金の心配、と断言できる。
(『手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択』 ミニマリストしぶより)

しかし、と本書『お金は使うほど、会社は強うなりますねん』の著者・入口氏はいう。

「お金って、使わんと儲からへんえぇ‼️」(←京都弁)

事業は、
「お金を使うから儲かる。増える。貯まる」「そのお金を使うから儲かる。増える。貯まる・・・」
その繰り返し。

だから、経営知識にちょっとだけ会計知識をプラスして、
借入をやみくもに悪ととらえない「パラダイム・シフト」が必要だと。

わたしも、金沢市役所の起業サポートカウンターで、相談者に

「自己資金だけでの起業はとても危険⚠️」

というアドバイスをしている。

その理由は、
日本政策金融公庫の元融資課長・上野光夫氏の『事業計画書は1枚にまとめなさい』に詳しい。

1.起業後しばらくはお金が猛スピードで減っていく
当初見積りの内外装費や経費が予想以上にかかる。当初計画通りの売上が上がらないのに(たとえ黒字でも)出費だけはきちんと出ていく
2.起業時がもっとも融資が受けやすい
赤字が続いたり、資金繰りが苦しいときに初めて金融機関に行っても貸してくれない。金利が高い。担保、保証人が必要。
3.銀行交渉は重要な経営ノウハウ。
どこに申し込めばいいのか、どんな手続きが必要か、金利や返済期間などの条件提示をどのように判断するのか、銀行とどのようにつきあうのか、など知らないまま経営を続けるのは大きなリスク。

ただ、そうは言っても起業する前の相談者に

事業が行き詰まるのは赤字ではなく、資金ショート(お金が足りなくなること)だ

ということを理解してもらうのはむずかしい。

この『お金は使うほど、〜』には、そんな相談者への説明のヒントだけでなく、
中小企業の経営者へのアドバイスに使える会計面の知識が、具体的数値でたくさん散りばめられている。

起業希望者や事業者だけでなく、
わたしたち中小企業診断士にとっても必読の1冊だ。

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