「カフェを開業したいのですが」
「カフェ以外には何ができますか?」
「特にありません。」
「カフェしかできない人がカフェをやるほど無謀なことはありません」
相談に答えているのは、
『料理人という仕事』の著者、稲田俊輔氏。
市役所の起業相談カウンターにも、この手の相談はよく来る。
さすがに、
「やめておいたら」とはいえないが(公的機関の無料相談窓口なので)
稲田氏の解説には、
「なるほど」と思う。
そもそも、
飲食店は開業から3年で7割が潰れ10年後には1割しか残らないなんていうことが言われています。
理由のひとつは、
飲食業は利幅の薄い商売です。総売上の10%も利益が残れば御の字、だから。
そのなかでもとくに、
カフェの経営はとても難易度が高い。
その理由は、
客単価の天井が低いうえに回転率が極めて悪いこと。
さらに、カフェは基本的にゆっくりするところなので、
雰囲気づくりのためには内装費などの初期費用も余計にかかる。
さらに、カフェは基本的にゆっくりするところなので、
雰囲気づくりのためには内装費などの初期費用も余計にかかる。
相談者の頭に、
「専門的な料理はできないけど、自分の作るパスタやカレーはなかなかおいしいぞ」
みたいなことがあったりしますが、
パスタやカレーはまずく作るほうがむしろ難しい料理であり、普通においしい程度のものは世の中にいくらでもあります。
さらに、
「夜も店を開けます。夜はアルコールをメインにおいしいおつまみを出したい」
という話もよく聞きます。
目を覚ましてください。
プロの料理人が腕を振るい、お酒のプロもいる、安くて美味しいメニュー豊富な飲み屋さんが街にどれだけ溢れていると思いますか。
プロの料理人が腕を振るい、お酒のプロもいる、安くて美味しいメニュー豊富な飲み屋さんが街にどれだけ溢れていると思いますか。
「なるほど・・・。」
さて、本書は料理人になりたい人に向けて書かれた本である。
料理人になるためのルート、修行の要否、ホール(接客担当)の仕事の重要性など、
役に立つ情報が詰め込まれている。
ただ、それと同時に、
料理人にとっての最終目標は「自分の店を持つこと」でしょう。
独立するということは、料理人である以前に経営者になるということです。
独立するということは、料理人である以前に経営者になるということです。
と、マネジメント面についても示唆に富むアドバイスがされており、
その意味で、業種はなんであれ、
いわゆる「独立」という形で独り立ちしたいすべての人たちのための本でもある。
料理だけが料理人の仕事ではない。
店長は料理をしている暇などありません。
店長は料理をしている暇などありません。
という指摘は、
好きなことだけやって事業が成り立つわけではない
という当たり前のことを再認識させてくれる。