『松岡まどか、起業します』作者:安野貴博
を読んだ。
AIスタートアップお仕事小説、と銘打たれた本作は、
最先端のAI要素が散りばめられた、わくわくどきどきの新しいビジネス小説だ。
平凡な起業とは違うスタートアップ。
とくに、生成系AIの出現で、
この界隈でのスタートアップは激しくしのぎをけずっている。
主人公松岡まどかのサポート役、水戸部歩が言う。
金を燃やして時間を買う。
私たちにとって、最も希少なリソースは時間だ。
コストをかけてでも、リスクをとってでも、時間を節約しないといけない。
君はこの時間感覚に早く慣れるべきだ。
このスタートアップのスピード感にはしびれる。
さらに、AIの技術的な話だけでなく、
ビジネス小説としての気づきも盛りだくさんだ。
同じく、水戸部歩が言う。
役割が人を作るんだ。
何かを背負おうとすれば、強くならざるを得ないんですよ。人間ってのは。
そうして成長した主人公・松岡まどかは、
破談しそうな顧客との商談の中でも、
資金繰りが危うくなったときもトラブルが起きたときも、
諦めることも、嘆くこともなかった。
ただ、いま自分が何をすべきかに集中し続けていた。
主人公松岡まどかとサポート役の水戸部歩が、
二人で始めたスタートアップ「ノラネコ」。
不慮の事故も最先端のAI技術で乗り切り、結末まで突っ走るストーリーは、
まさしくスタートアップのスピード感で一気に読める!
起業を考えるすべての人に勇気を与えてくれる珠玉の一冊だ。