幸せはいつもふわふわしているー映画『ライフ・イズ・ビューティフル』の家族愛

ひとりごと

ひとりが好きだ。
今も56歳でひとり暮らしだ。
しかし、そんな自分にも家族がいた。
妻と息子の三人暮らし。
幸せだったと思う。

あのころ(1999年)書いたエッセイを見つけた。
イタリア映画の紹介文だ。
タイトルは「幸せはいつもふわふわしている」。

幸せはいつもふわふわしている。
ふわふわしているからつかまえにくい。
やっとの思いでつかまえても、
すぐ逃げてしまう・・・。

アカデミー賞三部門に輝く
ライフ・イズ・ビューティフル』を観た。

全編笑いに包まれ後半は泣ける素敵な映画だ。

ロベルト・ベニーニ演じるグイドは、
ひょうきんでいわゆるお調子者。
妻と息子と三人で、
平凡にそして幸せに暮らしていた。

しかし、そんな生活は長くは続かなかった。
時代は、戦争に突入していく。
ユダヤ人であるグイドと彼の息子は、
強制収容所に収容されてしまう。

グイドは考える。
六歳になる息子に、強制収容所の現実を見せてはだめだと。
そこで、これは集団でやるゲームだと、
息子に信じさせる。

千点取ったら本物の戦車がもらえるゲームだと。

嘘をつき通すためにグイドは一所懸命になる。
強制労働で疲れ果てていても、
息子の前では笑顔を絶やさない。

少ない食料を自分は食べずに、
息子のためにとっておく。

先が見えない絶望の淵に立ちながら、
グイドは希望を捨てない。

陽気でお調子者だったグイドが変身した。
強く、たくましく、頼もしい人間に。

彼を支えているのは、
家族三人で暮らす幸せをひたすら願う気持ちだ。

それが彼をこんなにも強く変えた。
息子の目の前で銃を向けられ、
死が目の前にぶら下がっても、
彼はおどけることができる。

現代は家族のつながりが希薄になったという。
興味があるのはそれぞれ自分の欲望だけ。

みんな、違う方向を見て生活している。

---自分は、今、家族を守るために死ぬことができるだろうか?

家族はみんなが帰れる最後の場所。
どんなに家族の意味が小さくなっても、
それは変わらない。

だから、時代が違ってもグイドに共感できる。
自分も強くなれると思うのだ。

幸せはいつもふわふわしている。
だからこの手でしっかりとつかまえていたい。

家族みんなで暮らす、かけがえのない時間。

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