兼六園の南東、小立野(こだつの)通りを5分ほど車で走ると、通りに面して石引商店街が現れる。
そこに、2016年7月に開店した
「本と印刷 石引パブリック」がある。
大きなガラス張りの開放感あふれる店構えで、
ステキな本がたくさん並んでいるのが見える。
このあたり、個性的なお店が多い。
となりには、寛永2年(1625年)創業の金沢最古の酒蔵
福光屋の「SAKE SHOP 福光屋 金沢店」が
兼六園寄りにはおでんの名店「若葉」や
野菜ごはんの「ニギニギ」があり、
ちょっとのぞいてみたくなる。
で、石引パブリック。
不定期に「石パブ読書会」というイベントがある。
今回の課題図書、
堀田善衛著「方丈記私記」が気になって、
思い切って申し込んだ。
読書会に集まったのは、
店主の砂原久美子氏を含めて8名。
参加費は無料で、ワンドリンクオーダー制。
スパイスチャイ(カルダモン・400円)を注文。
この店は、カフェも併設しているのだ。
優しい甘さが胃にしみる。
会は18:30に始まった。
みんながおもいおもいに
感想や疑問を出し合う。
それを司会の岩津航氏がていねいに拾っていき
話をふくらませてくれる。
著者の堀田氏が博覧強記で、
話がいろんな方向に発展するので
話についていくだけで精一杯だったけれど、
思ったことを口にできる。
子供のころから読書感想文が苦手だった。
思ったことはてんでバラバラで、
自分ひとりではうまくまとめられなかった。
ただ今日は、そんな感想の切れ端を
博学の岩津氏がきちんと受け止めてくれるので、
居心地のいい会だった。
読書は孤独な作業。
だからこんなふうに、
みんなが同じ本について語り合うって新鮮だ。
石引パブリック、
素敵な夜をありがとう。