2017年10月7日。
いよいよ辰巳用水探訪会当日になった。
(前回はこちら)
朝9時に市役所前に集合し、
狭いマイクロバスに乗って、
犀川上流の辰巳ダムまで移動。
少し小雨がぱらつくなか、
市役所の職員が古地図で辰巳用水の説明をしてくれた。
辰巳用水は1632年に作られた。
今から385年前の江戸時代のことだ。
驚いたのは、
それが今でも現役で使われていること。
11kmほど先の兼六園に水を運んでいるのだそうだ。
今日は隧道(ずいどう)の中を歩くので、東岩取水口からの取水を止めている。
だから、兼六園では今日だけ井戸水を使っているらしい。
国の史跡なのに、現在も使われている。
この事実を、兼六園を訪れるひとのどれだけが知っているのだろう?
さて10時過ぎ、いよいよ隧道の探訪だ。
雨も上がり陽が差してきた。
ヘルメットをかぶり、レインコートを着て、長靴を履く。
さあ、突撃だ。
隧道の出入口として使われていた横穴から、仮設のはしごを降りて中に入る。
中は真っ暗。
今日は壁面に掘られた灯明皿をおくタンコロ穴に
昔みたいに灯明をつけているのだが、それでも暗い。
ところどころにある横穴から射す陽の光も一部しか照らしてくれない。
しかも足元は結構水が残っているし、でこぼこして歩きにくい。
壁づたいに歩こうとしても、
壁は汚れるので触ってはいけないのだ。
(一度だけ触ったら軍手が真っ黒になって、悪臭が取れなかった)。
転ばないように、とそれだけに集中していたら、
あっという間に終わってしまった。
それでも今日は満足だ。
江戸時代と平成の今が一本の線で結ばれていて、
今日はちょこっと江戸時代へタイムスリップ!
そんな不思議な小旅行だった。
ちなみにこの探訪会は、毎年秋に一回だけ実施されるみたいだ。