金沢は「バウムクーヘン」みたいな町!?-「11.松ケ枝地区」を歩く!

おじさんの金澤
近江町市場のある武蔵交差点

金沢市長を五期20年務めた山出保(やまで たもつ)氏の新刊、
まちづくり都市 金沢
が、岩波新書で2018年9月20日に出版された。

同じ岩波新書で2014年7月に出た
金沢を歩く
は、金沢のガイドブック的なものだった。

ステキなガイドブック!

が、今回は、まちづくりに焦点を絞り、私見を述べられている。

今年は大雨や地震など災害の多い年だった。
そんな災害に強いまちづくりとは、
という下りが新刊にあった。

そのひとつが、

「旧町名の復活にこだわる」

ことだという。

うん? なんのこと?

ひとまずそれはさておき、
ウォーキングに出かける。

2018年9月17日月曜日、曇り。
今日は「11.松ケ枝地区」を歩く。

金沢ウォーキングマップより

武蔵ヶ辻から南町あたり
なじみのある界隈を行く、
3km、50分の短いコースだ。

金沢駅から行くので、
スタート地点を武蔵ヶ辻の百貨店「エムザ」の裏、
高峰譲吉住居跡・銘板

エムザの裏手にひっそりとある

とする。

駅からここまで歩いて10分程度だ。
歩き始めて気づくことがある。
今回のチェックポイント、町名の石碑が多い。
都合、3つの石碑があった。

「(旧)袋町」

「旧博労町」

「(旧)南町」

金沢を歩く』によると、

1962(昭和37)年に『住居表示に関する法律』が制定され、
市内640町のうち、町名が消えたのが623町もあった

ということだ。

山出氏は市長時代、旧町名の復活に尽力された。

そのおかげで、今回の3つの石碑のうち、
「袋町(ふくろまち)」「南町(みなみちょう)」
は、復活したので「旧」の文字が白だった。

旧町名の復活へのこだわりは、

「単なるノスタルジーからではありません」

という山出氏

「自分の住む町に誇りを持って、
『お互いに力をあわせよう』
『もっとよい町にしていこう』
と住民が思ってくれる契機になればいい」
からだ

という(途中、一部略)

なるほど、

と思う。

これが防災の基本になるのだろう。

単に、
「古いから大切にしよう」
というわけではないのだ。

さて、コース上には石碑だけではなく、
加賀藩祖・前田利家公と正室お松の方を祀る
尾山神社
がある。

モダンな建物

ここはつい先日(といっても昨年、2018年9月15日)、
金沢ジャズフェスティバル」の会場にもなっていた。

大好きなピアニスト、桑原あい

金沢は古いものを守るだけではなく、
新しいものも積極的に取り込んでいく。

「旧来の思考や行為をそのまま引き継ぐだけなら、それは伝統ではないでしょう」
「絶えず変化し、新しい価値を付加し続けてこそ、伝統は伝統たり得るのです」
(『まちづくり都市 金沢』より)

歴史の多層性」と「文化の多様性」がある町、
金沢。

金沢工業大学教授の水野一郎氏は、それを、

「金沢はバウムクーヘンみたいなまち」

と表現した。(『まちづくり都市 金沢』より)

雨もまた、金沢!

だから、金沢はなんでもない町歩きが楽しい

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